インド禅定林大本堂落慶6周年
5万人が随喜して記念法要を厳修
重みを増す大乗仏教の一大拠点
インド・禅定林(サンガラトナ・法天・マナケ住職)では、二月八日、大本堂落慶六周年記念法要を厳修した。日本からは、総長代理である福惠善高一隅を照らす運動総本部長、谷晃昭パンニャ・メッタ日本委員会理事長(群馬教区西光寺住職)ら、大本堂建立に協力した同委員会のメンバー約五十名が参列し、インドにおける大乗仏教の一大道場の落慶六周年を祝った。なお七日には、併設のパンニャ・メッタ学園校舎の増築落成法要も執り行われた。
着工当初より雨期の洪水など現地特有の諸問題により、しばしば工事が中断し、竣工後も付帯工事の進行がままならなかったが、昨年には大本堂上の相輪も取り付けられるなど、インド仏教徒の精神的象徴としての偉容が整った。
落慶六周年記念法要は、サンガ住職を導師とし、日本からの出仕・随喜参列者一行とともに、インド全土から参集した仏教徒約五万人が見守る中、厳かに執り行われた。
法要にあたりサンガ師は「インド各地から、また、日本から多数の仏教徒の方にお集まりいただき、感謝致します。ようやく大本堂も立派な姿になりました。大乗仏教を弘め、菩薩行の中心道場とするべく一層研鑽を積んでいきたい」と述べた。
全ての生命の平等を説く仏教の発祥の地インド。しかし、カースト制度の壁は今なお厚く、差別と貧困に苦しむ数多くの仏教徒がいる。
差別の否定と生命の平等の教えをいかに仏教の発祥地インドに根付かせ得るか。それが現実の問題として存在する。
シンボルともいえる禅定林大本堂が落成して六年。落慶当時、サンガ住職は「インド仏教の心の拠り所とし、伝教大師のみ教えのもと、未来に法を伝える菩薩僧を養育していきたい。智慧と慈悲を兼ね備え、世界平和を祈る依処とするために精進していきたい」と決意を明らかにしている。
一大道場というべき大本堂が六周年を迎え、インドのみならず、混迷する世界における大乗仏教敷衍の役目を担う禅定林への期待は、ますます大きなものになっている。