初の天台宗平和祈願法要行う
比叡山宗教サミット27周年 世界平和祈りの集い
比叡山宗教サミット27周年「世界平和祈りの集い」が、8月4日比叡山延暦寺の祈りの広場において行われた。今回27年の歴史の中で、初めて天台宗として独自の「世界平和祈願法要」が行われ、一隅を照らす運動総本部の地球救援募金から国連難民高等弁務官事務所へ「シリア難民への義援金」が寄託された。
今回の「集い」において、初めて単独の宗派として比叡山で「世界平和祈願法要」を行うという形をとることになった。
その転換を迎えることについて、阿部昌宏天台宗総務部長は、各教区に要請して選抜された50名を越える出仕僧に対して「他宗の方々と共に平和を祈り、語り合って27年が過ぎた。天台宗として、あるいは各寺院が、檀信徒と共にどう平和を祈願しているかを真剣に考えた。そしてサミット式典の前に教区にお願いし、共に比叡山根本中堂の内陣で祈るという企画を考えたところ、皆様に快く賛同して頂き、今回から平和祈願法要を厳修することになった。毎年続けていきたい」と説明した。
今回の世界平和祈願法要は木ノ下内局による独自の企画。出仕僧たちは控え室となった延暦寺書院旭光の間で行われたシリア難民への義援金の寄託式を見守った後、書院から根本中堂まで行道した。法要の導師は木ノ下寂俊宗務総長がつとめた。
木ノ下宗務総長は、今回の平和祈願法要を営んだ主旨について法則(ほっそく)で
「大地自然の災いは 全地球規模に容赦することなく頻発しては 尊き生命に突然として不安をもたらす 科学の繁栄は 最新鋭の武器や核兵器と顕れて人命を脅かし 多くの犠牲者を生み
他文化思想への不理解は 民族間の紛争となって大地を蹂躙し 人民虐殺へと繋がる
愚かなるかな人災の極み 心痛のいたり 極まりなし 今 犠牲者の冥福と早期解決 早期復興を祈る」と訴えた。
副導師をつとめた小堀光實延暦寺執行は根本中堂内陣で世界平和祈願の護摩を修した。中陣には天台宗宗機顧問はじめ宗内要職者が随喜した。
そしてこのあと午後3時より、比叡山宗教サミット27周年「世界平和祈りの集い」が執り行われた。