世界宗教者平和の祈りの集い
「平和が未来への道」諸宗教の指導者が集う
カトリックの信徒団体である聖エジディオ共同体が主催する「世界宗教者平和の祈りの集い」の第28回大会が、9月7日から9日までベルギー・アントワープにおいて開催された。この集いは、1986年にローマ教皇ヨハネ・パウロ二世聖下の呼びかけでアッシジから始まり、今年で28回を数える。今回の集いのテーマには「平和が未来への道」が掲げられ、天台宗では、杉谷義純名誉団長(天台宗宗機顧問)、木ノ下寂俊団長(天台宗宗務総長)以下17名の使節団を派遣、世界各地から参加した諸宗教の指導者と共に、平和の祈りを捧げた。
このあと杉谷名誉団長がオープニングの提言を行った。杉谷師は、100年前に起きた第一次世界大戦から第二次世界大戦、さらに現代における諸紛争の原因と影響について言及した。その上で宗教間の対話を通じた相互理解とともに、異文化の尊重を基本とした子どもの平和教育が不可欠であることを指摘すると、会場から大きな賛同の拍手が起こった。(写真)
8、9日は、諸宗教と暴力、移民問題、命の価値など、現代社会が直面する諸問題についてパネルディスカッションが開催された。木ノ下団長は「アジア:諸宗教と命の尊厳」と題してスピーチ。「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」という天台思想を元に、価値観の多様性、他者を尊重する文化、自然と共生する日本の思想を紹介した。
9日夕刻には、各宗教・宗派で平和の祈り法要が執り行われた後、アントワープ市役所前広場においてベルギーのマチルド王妃出席のもと閉会式が行われ、平和宣言が採択された。