叡山学院、種智院大学
「学術交流及び協力に関する協定」を締結
天台宗立で天台宗法嗣養成の最高学府である叡山学院(清原惠光院長)と真言宗系の種智院大学(村主康瑞(すぐりこうずい)学長)が、この程、「学術交流及び協力に関する協定」を結ぶこととなり、その調印式が昨年12月9日、清原院長、村主学長の出席の下、京都市内で行われた。正式に協定を結んで、学術交流などを行うのは初めてのことであり、共同研究などで、今後の成果が期待される。
この協定は、天台密教と真言密教など教学分野、法要、声明などの実践分野で共通するものがあり、交流を深めることが互いにとって有益との判断からで、今後は、教員の交流、学生の交流、共同研究、学術資料の交換などが考えられている。協定締結当初は、教員の交流から実施することとしており、今年は、それぞれ相手方で講座を開講する予定となっている。
調印を終えた清原院長は「今回の協定は誠に意義深く、互いに切磋琢磨し、伝教大師、弘法大師の伝灯を受け継ぎ、密教教学研究をはじめ、両学府が益々発展していくことを願うところです」と話した。また村主学長も「過去には交流もあったが、今回、正式に協定を持ち、交流することになりました。誠に、歴史的に意義深いことです。現代仏教を担う若い世代が互いに刺激をうけ、大きな成果を上げることになれば、嬉しい限りです」と期待を語った。
両宗の交流については、平成21年6月に、半田孝淳天台座主猊下が弘法大師祖廟のある高野山を参拝。これが開宗以来初めての公式参拝となった。その後も真言宗主催シンポジウムへの天台宗の参加、比叡山宗教サミットへの真言宗の参加協力などがあった。
こうした諸々の交流の上に、今回の両学府の正式な協定が結ばれたのである。教学分野をはじめ、今後の仏教界の発展にも寄与することが期待されよう。