「最澄と比叡山『戒壇院と法華総持院東塔』」開催中
宗祖伝教大師一千二百年大遠忌を記念した「最澄と比叡山『戒壇院と法華総持院東塔』特別拝観」が12月12日まで、比叡山延暦寺で開かれている。大乗仏教を世に弘め、国を護り人びとの安寧を祈る社会を目指された伝教大師の願いが込められた両堂が拝観できる貴重な期間となる。開闢の9月12日、阿部昌宏天台宗宗務総長を導師に法要が奉修され、伝教大師に報恩が捧げられた。
一方、法華総持院東塔は、伝教大師が国と人びとの平安を経典の力で守るため全国六カ所に建立した「六所宝塔」の総塔。「法華」は釈迦の教え、「総持」は密教の教えを指し、伝教大師の円密一致の教えが現されている。
永く途絶えていたが、昭和55年(1980)に鎌倉時代の絵図を手がかりに再建。堂内の須弥壇には大日如来を中心に胎蔵界五仏が祀られており、須弥壇裏には金剛界五仏の壁画がある。
開闢法要は午後2時から法華総持院東塔で始まり、天台宗と延暦寺の両内局員出仕で、祖師先徳鑽仰大法会事務局長の阿部宗務総長の導師で厳修。法要後は祖師先徳鑽仰大法会事務局奉行の水尾寂芳延暦寺執行が、出席した関係者らに堂内について解説した。
続いて、戒壇院に移動し、法楽が営まれ、特別拝観期間中の安全や世界平和、コロナの早期収束が祈念された。
今回の特別拝観に併せて、JR京都駅西口広場と京阪京橋駅3階片町口の2カ所で、「『最澄と比叡山』パネル展」が9月13日から行われ、大遠忌や特別拝観の魅力をPRした。
伝教大師が遺された人づくりの志しや教え、6月4日の御祥当法要の模様などを15枚の写真パネルを通して伝えた。
期間は京阪京橋駅は10月3日まで。JR京都駅は終了。
※写真は開闢法要戒壇院内